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2月の六月、雨の匂いについて

雨が降る前の、あの匂いの名前をずっと知らないままでいる。

朝はいつも同じ道を歩く。角のパン屋が開くのは七時ちょうどで、それより早く着いてしまった日は、川沿いのベンチに座っている。

水面がゆっくり明るくなっていくのを眺めながら、今日は何を書こうか、と考える。たいていは何も決まらないまま、家に帰って書きはじめる。

雨の匂いには名前があると、あとから知った。ペトリコールというらしい。知ってしまうと少しつまらない。

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