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六月、雨の匂いについて
雨が降る前の、あの匂いの名前をずっと知らないままでいる。
朝はいつも同じ道を歩く。角のパン屋が開くのは七時ちょうどで、それより早く着いてしまった日は、川沿いのベンチに座っている。
水面がゆっくり明るくなっていくのを眺めながら、今日は何を書こうか、と考える。たいていは何も決まらないまま、家に帰って書きはじめる。
雨の匂いには名前があると、あとから知った。ペトリコールというらしい。知ってしまうと少しつまらない。
雨が降る前の、あの匂いの名前をずっと知らないままでいる。
朝はいつも同じ道を歩く。角のパン屋が開くのは七時ちょうどで、それより早く着いてしまった日は、川沿いのベンチに座っている。
水面がゆっくり明るくなっていくのを眺めながら、今日は何を書こうか、と考える。たいていは何も決まらないまま、家に帰って書きはじめる。
雨の匂いには名前があると、あとから知った。ペトリコールというらしい。知ってしまうと少しつまらない。
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